転勤について

働き方の改革は、現在最も重視されている政策課題の一つである。特に「長時間労働の削減」と「同一労働における正規と非正規社員との賃金格差」が大きな社会問題になっている。前者については、大手広告代理店での過労自殺問題がきっかけとなり、早急な対応を迫られている。安倍首相が直接指揮権を握っている「働き方改革実現会議」の議論を待たれるところだが、資本主義である日本の現状を考えたときに個々の企業においては競争の論理が働き、なかなかまとまった結果は期待できないような気がする。また、賃金格差問題もなかなか正規と非正規との差を埋めることは難しいような気がする。

私はそのことよりも「転勤問題」が気になる。この時期私の周りでも数多くの人が転勤を強いられてる。転勤は、企業にとって人材の育成や最適な人材配置をするために必要なことだが、特に子育て世代における転居を伴う転勤は本人はもとより家族にも不利益をもたらすことが多い。本人にとっては配置先での人間関係を含めてのストレスや家族から離れての暮らす寂しさも克服しなければならない。家族同伴での転居の場合は、子どもの転校問題や進学問題、家族が仕事を持っている場合は、その仕事をどうするかという問題も起こる。せっかく女性が働いていたとしても夫の転勤に伴い退職に追い込まれることも生じる。このことは、女性の労働供給を減少させることに繋がり、男女共同参画社会の実現はますます遠くなる。企業は、むやみあたりに「転勤」を命ずるのではなく、違う切り口で人材育成や人材配置をする必要がある。妻(女性)が仕事を失わないためには夫の単身赴任がある。単身赴任だったら子どもも転校しなくてすむ。しかし、家族から離れての単身赴任は、どれだけの効果があるのだろうか。私はマイナス面の方が多いような気がする。

夫婦共稼ぎが一般的になってきた昨今、「転勤」をもう一度根本的に見直す必要があると感じる。同居家族の他にも身内の介護問題もある。「転勤」については、その効果をもう一度洗いなおす必要があると同時に働き方改革についてもう少し具体的に指針を出していく必要がある。そのためには、総合的な実態調査が必要である。

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