チンパンジーの研究者から学ぶ

2017年4月25日出身高校同窓会の勉強会が麹町でありました。今回で163回を迎える伝統のある勉強会です。今回は、京都大学野生動物研究センター各員准教授中村美穂氏の講演でした。題目は「動物ドキュメンタリーと野生動物研究」。本職は、自然科学番組プロデューサーですが、チンパンジーの研究者でもあります。アフリカのタンガニーカ湖近くのマハレ山塊国立公園でのチンパンジーの生態を中心に講演していただきました。詳細は以下の通りです。

ヒトはどのように進化してきたか。ニホンザル→チンパンジー→ヒトは間違いで、700年前に共通の祖先からチンパンジーと人に分かれた。

チンパンジーとヒトを比較することによりヒトがどのように進化してきたか分かる。ヒトもチンパンジーもが共に持っているものは共通の祖先から受け継いだもの。共通の祖先から分かれて失ったものも多い。(例:嗅覚)

オスには序列がある。(群れの中で秩序を保つには序列が必要)順位を決めているもの…石を投げる力、木を折る力、叩く力、けりの力、繰り返す回数、頭の良さ等チャージング・ディスプレイで順位を競う)一夫一妻ではない。強いオスがすべてのこと(交尾、食事等)が優先される。ただし、ボスの子どもが一番多いわけではない。リーダーとして多忙だから。群れで生きている。オスは常に勢力争いをしている。同僚を仲間に入れる頭の良いものもいれば、器用に道具を使いこなすものもいる。みんなで一人のチンパンジーを叩き潰すこともある。

ヒトとチンパンジーは社会のありようが違う。ヒトは言葉があるからすべてを覚える必要はない。チンパンジーはものを写真のように記憶する。チンパンジーは「今ここ」に集中する。今ここにあるものだけに集中する。この先どうなる、どうするかという思考は全くない。ヒトは目の前にないことを考える。ヒトは想像力を持つ生き物である。

チンパンジーは群れの中で過ごす。お互いに分かり合うから言語は必要ない。←進化の段階で言語は比較的新しいものである。

アフリカのチンパンジーはヒトに似ている。オスのとる行動は男性の行動によく似ている。親子のやり取りは700万年前と変わらない。

似た生き物は同じ場所で生きられない。戦って勝った種だけが生き残った。

チンパンジーも加齢による現象に苦労している。例:パーツの衰え(歯槽膿漏、老眼等)

チンパンジーは他に無関心で周りを気にしない。他のお手伝いはしない。ただし、一緒にいることに快感を感じるものに対してはお手伝いする。(優しい、穏やか、暴力を振るわない等)チンパンジーには老齢仲間を大切にする心がある。

チンパンジーは鬱があるかどうかはわからない・

チンパンジーは恨みを忘れない。通常はものごとをすぐに忘れるが。(切り替えが速いという意味)記憶力はある程度あり、根に持つこともある。

メスは12歳くらいになると他の群れに嫁に行く。一生帰ってこない。オスは群れに留まる。他の群れに行くと殺される。オスは群れの中ではみな親戚ということになる。メスは社交的でよく動く。

チンパンジーの社会は教え、教わる社会ではなく、見て覚える社会である。

一画面を記憶する課題を与えるとチンパンジーは記憶が速く、ヒトの類ではない。

チンパンジーとヒトはかなり似ている面がある。進化の段階で「言語」を身に付けたヒトとの違いが大きい。今、世の中で起こっていること、男女の生活様式、指向などチンパンジーとの共通点を感じた。

帰りの電車の中で「シルバーシートに座り、スマホをやっている人」をみた。決して悪気があるわけではない。きっとチンバンジーのように周りを気にしない人だなと思った。

※検索:霊長類研究所 アイ 日本モンキーセンター

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