試合中の「臭い」発言

下記のような記事がyahooに掲載された。

明治安田生命J1リーグ第10節で、鹿島アントラーズが浦和レッズを1-0で下した。この試合では、両チームが一触即発という事態に陥った。

78分、鹿島から見て右サイドの浦和側コーナーフラッグ付近で、鹿島MF土居聖真がボールをキープ。このボールを浦和FW興梠慎三とDF槙野智章が2人がかりで奪いに行く。そこに鹿島DF伊東幸敏が加勢に行ったところでホイッスル。このホイッスルは鹿島側の反則に対して吹かれたものだったが、その直後、興梠が土居を突き倒したことをキッカケに両チームの選手が集まり、松尾一主審は試合を一時中断。最終的に80分、興梠に警告が出され、浦和ボールで試合再開となる。

この騒動で中心となったのは、当初のボールの奪い合いとは関係のない、鹿島MF小笠原満男と浦和DF森脇良太だった。試合後に両選手は取材に応じたが、その主張は異なっていた。

小笠原は「どうしても言いたいことがある」と、騒動について説明を始める。「森脇選手が後半の終わりくらいから、ちょっとこう両者になった時にうちの(レオ・)シルバ選手に対して『くせえんだ、お前』というような言葉を発した。それはどうしても許せなくて。試合が終わった後にレオと話して『彼はいつも俺に対してそういうことを言う』と話して」と、森脇のレオ・シルバに対する暴言が原因だったと話す。

さらに「これまでの対戦でも同じようなことを繰り返していて、もうちょっと自分の中では限界。チームメイトとも話をして、そういうことが繰り返されてるので、少し謹慎をするなり、言葉の暴力だと思うし、差別と捉えられてもおかしくない」と、これまでの対戦でも、森脇が外国籍選手に対して暴言を繰り返していたと主張した。

「どうしても、それが……。非常に良いゲームだったんですけど、それが残念なことなんで、どう言えば良いか分からないですけど、どうにか皆さんに検証してもらえないかなと。その後、明らかに口と鼻ふさいで『くせえんだ』と。どうしても解せないし、話したいなと思って」と続ける。小笠原は、両者入り乱れた場面で森脇がレオ・シルバに近づき、「くせえんだ」というジェスチャーをしていることは、映像で確認できるとも語った。

また、この件に関して主審に説明を行ったほか、クラブを通じてマッチコミッショナーにも伝えると説明した。

暴言を受けたとされるレオ・シルバは、「まず、いろいろなことを人生で経験するのですが、日本での生活の中で、僕は日本国民というのは外国人をしっかり温かく受け入れ、それぞれの国の文化と習慣に敬意を持って接するイメージ。そういう感情を持っています」と前置きをした上で、次のように話す。

「そのような行為があったことは、僕としては非常に悲しいこと。特に、これだけ注目度が高い試合でそういう行為があったということは、非常にガッカリするものがある」と落胆の表情を見せ、「僕は十分、人生経験がありますし、大人にもなりました。悪いことは最初から止めていかなければいけない。でなければどんどんエスカレートしていって、言葉から違う暴力、違う意味の暴力に発展しかねない危険性が出てくる」と続けた。

小笠原やレオ・シルバの説明に対して、森脇は全くの事実誤認だと主張。森脇は78分過ぎの場面を「興梠選手が鹿島の選手といざこざになった時に、鹿島の選手が数名で興梠選手に寄っていたので、彼を守ろうと、その思いでその場に止めに入ろうとした」と振り返る。そして、この時に小笠原から「お前だけは入って来るんじゃねぇ、ボケ」と言われたと話す。

それに対して「うるせえ!ボケ」と返したという森脇。そこから小笠原を含む、数名の鹿島の選手が森脇に詰め寄り、いろいろと言われたが、その際に多くの唾(つば)が飛んできたと言う。そのため、森脇は「口が臭えんだよ」という発言をしたと説明した。

その後、「僕はチームメイトに止めらえてその場を後にしたのですが、彼が何を思ってそういうことを大きな発言に変えたのか、僕はちょっと本意が分からないですけど、それを聞いて、ことが大きくなっていることに関して、僕は非常にショックを受けている」と、小笠原の主張を否定。「確かに、僕もカッとなってしまっていた。唾が飛び散っていたんで『口が臭い』と言ったことは反省しなければいけないかと。子供みたいな喧嘩だなと反省していますけど、それが僕から言える全ての事実」だと話した。

また、レオ・シルバとは試合後も握手したと言う森脇。「例えば、その言葉がポルトガル語や何かで差別的発言に近いような似ているような言葉があるんであれば、もっとレオ・シルバ選手が僕に対してむき出しになって怒ってくると思うんですが。レオ・シルバ選手のその後の対応を見たら、そういう風には僕は思わなかったですけどね」と、小笠原の主張には納得していない様子。

また、これまでにも差別的な発言があったという小笠原の主張を記者から聞くと、森脇は「うそでしょ」と絶句。「僕は彼の人間性にショックを受けるというか、僕のことが嫌いなのは別に良いですよ。それをなぜ皆さんの前で言うのかが僕はちょっと理解できない」と吐露した。

この日はゴールデンウィークということもあり、スタジアムには57447人の大観衆が詰めかけた。試合自体は首位攻防戦に相応しい、熱い試合だっただけに、今回の騒動によって後味の悪さが残ってしまった。

この記事を読んでスポーツ選手の資質の低さを感じる。スポーツが文化になれない原因はここにあるといってもおかしくはない。また、「言った」「言わなかった」発言が出たことがまた残念だった。

私は、小学生のバスケットボール(ミニバス)を指導して36年を迎えるが同じような体験を自チームの選手から聞いたことがあった。今から24年前のことになるが、私のチームは県内ではかなり強く、夏休みは関西の方まで2泊3日の遠征をおこなった。同じような事件は1日目に起きた。某府県のナンバーワンと言われるチームとの対戦の時、自チームのセンターポジションの子が泣きながらベンチに戻ってきた。相手のチームが強く、思い通りなプレイができなくて泣いたのかと思えば、それが違っていた。相手チームのマッチアップしている選手にゲーム中「臭いから近づかないで」と言われたそうである。ショックと悔しさで立ち直れない状態であった。言われたその子は、チームの中で一番体が大きく、気も強い子であった。体格の良い男の子を跳ね飛ばすほどの子がその悪魔の一言で戦意を失ってしまったのである。ベンチで気にするなと慰めてもその試合では気持ちの切り替えができずに敗退してしまった。スポーツ競技は勝ち負けを争うが、競技以外のことで相手を攻撃してはいけない。まだまだそのような選手が多くいるときく。ましてや東京オリンピックに向けてスポーツの振興を図らなければならないはずの選手がそのような稚拙な内容なことで問題化されているとは誠にだらしない。真実を厳重に審査して重い処分を課していただきたいと考える。

スポーツマンはまず紳士でなければならない。

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