アンガーマネジメントⅡ

人間には「感情」があり、感情があるから行動も起こす。感情によって目的も生まれることがあり、行動に結び付く。「怒り」は生存に関与し、それが脅かされると防衛本能から怒りが生ずると言われています。動物のように防衛本能だけで行動すれば、喧嘩が起こり、それが暴力にも発展します。だからこそ、ソーシャルスキルを身に付けなければならない。

怒りはどんな場面で起こるのか

1つは支配欲求。人は本来支配欲求を強く持っているが、逆に支配されると怒りに繋がる。例えば、部屋を片付けようと思っているときに、家族から「部屋が汚いから早く片付けなさい」と言われると頭にきます。人はあくまで自主的がいいのです。2つ目は私の指導している競技スポーツ。競技の中で攻撃欲求がそがれるとイライラが募ってきます。競技中の誤審、危険なプレイ等があると怒りが増大します。3つ目は仕返し。傷つけられたりすれば、恨みに近い怒りになります。4つ目は権利です。人権的に侵害されると人は怒ります。

認知の修正→頭の中に怒りにくい仕組みをつくる 出典:「アンガーマネジメント入門」安藤俊介著2016 朝日出版

①怒りを数値化する。最高点を10点として怒りの度合いを確認する。②思考を停止する。頭の中で白紙を思い浮かべる。③その場から離れる。(例:お手洗い、深呼吸)④数を数える。(例:100-7、93-7…数に集中しているうちに感情抑制)⑤深呼吸する。⑥落ち着くフレーズや好きな人の名前を唱える。⑦今に意識を集中する。(過去の出来事や未来を想像して怒りが湧いたときは、目の前のことに戻る。)⑧怒りを記録する。(書き出すことにより客観視)⑨「〇〇べき」の確認(自身のこだわり、ゆがみ、考え方、信条、価値観を知り、怒りのおおもとを把握する。)⑩ストレスを書き出し、思考を整理する。コントロールの可否、重要性の有無を整理する。⑪有酸素運動をする。(ジョギング、ストレッチ等)

「叱る」と「怒る」の違いを明確にする。

叱る…相手の言動を望ましない点を指摘し、強くただすこと。(相手のためという心理背景)

怒る…相手の言動を強くとがめる。(怒りの感情の表出という怒る側の都合が背景

人は自分とは異なり、人の過去も変えられない。大切なことは、人を変えることではなく、自分が変わった方が早いということだ。このことは、教員の時のカウンセラー講習会で学んだことでもある。

実践するにあたって

いろいろ学んだからといって私たちは時には怒りたくなる。無理に抑え込むとかえって爆発することもある。そこでもう一度アンガーマネジメントの本質を考え、感情をコントロールするテクニックを学ぶ必要がある。次の3つの視点で改めて考えてみる。

①「べき」から逸脱する…アンガーマネジメントは、怒りを抑制することではなく、怒りと上手に付き合う技術です。よって技術を学べばよいのです。特にスポーツ指導の場面では、特に注意しなければならないのは、「〇〇〇べき」です。この「べき」が強すぎると怒りになることが少なくありません。「この場面では、このようなプレイをすべき」等指導者は「べき」に固執する。「べき」の強度を変えればある程度怒りは収まります。そこで「べき」を自分と同じゾーンと少し違うが許容できる範囲、許容できない範囲に分けるといいと思います。私は、「まあ、いいだろう」の範囲を広くすることを心がけています。

②怒りの本質はリクエスト…怒りとはリクエスト(欲求)です。リクエストが満たされない、相手に通じないときは、具体的な言葉に置き換えて相手に伝えます。自身の言語能力を高めることで解決します。また、発する言語は明確に相手に伝わるような言語でなければなりません。

③怒りは長くて6秒…アンガーマネジメントでは衝動のコントロールとして6秒待つことを勧めています。少なくても6秒待てれば、短絡的な行動は抑えられるということです。