教育経済学者中室牧子氏の投稿から考える

「学力」の経済学を書いた中室牧子氏の考え方に賛同する。同氏は、日経新聞2017年5月26日の経済教室でも「教育予算を考える(上) 「質」の確保へ国家戦略を」で科学的根拠に基づく教育政策を標準化するように述べいる。私も大賛成である。、

子どもにとって一番影響を受けやすいのは、学校の教師である。今、教育国債やこども保険など教育財源を巡る議論が活発に行われているが、私は、教育への支出は教師の質の向上にも向けけるべきだと考えている。一例をあげると、英語教育がこれほど注目されているにも関わらず、英検準1級を有している教員の割合は、中学校で28.8%、高校で55.4%(文部科学省調査)という実態である。私自身も中学校の時の英語科教員には、「難しいことを考えずに覚えろ」と言われた。高校生から教わった英語の教師は、人物的には優れている人が多かったが、英語の達人とは言えないような人であった。英語の授業も日本語で教わり、基本文を暗記したり、単語力をつければよい点数がとれるような授業であった。教育の質を上げるには、教師の質を上げることだと感じる。子どもは、力のある教師は分かる。力のある教師に対しては反感を持たない。そしてプラスの影響を受ける。私は、公立学校に36年間勤めたが、子ども思いの素晴らしい教師には何人も遭遇したが、教科に長けた教師はあまりいなかった。教員研修も実践的なものが多く、教科そのものを深く研究する(教材研究)の時間が圧倒的に少ないことを感じていた。

教育予算を教師に向けることもよいと考える。多忙化している教師には教材研究する時間が少ない。教育戦略はいろいろあるが、教師自身への研修に投資したり、教員定数の改善、配置、外部教材の活用などに向けるのも一案だと思う。少子高齢化社会になり、高齢者に対してのお金を削減して教育に回したい。教育でも教師自身の質の向上に向けてお金を使うべきだ。

※参考資料

教育機関への支出の私費負担割合…日本(初等・中等教育約7%、高等教育約66%)OECD平均(初等・中等教育約8%、高等教育約28%)

2010年から2013年の平均で、日本の初等から高等教育への支出の国内総生産(GDP)比較は4.5%とOECD平均の5.2%を下回っている。支出とは、国による公的な財政支出と家計の支出の合計で、日本では家計の割合は28%で、OECD平均の16%より大きく、家計で教育費の負担感が大きい。

教育への公的な財政支出が伸び悩む背景…国と地方を合わせた日本の政府総債務残高のGDP比が230%まで拡大していて、高齢化に伴う医療費や社会保障関係費の増大が今後更に加速する。→高齢者にお金がかかりすぎている。

教育国債の場合、その教育の受益者となる子どもらの世代も負担することが原則となっている。しかし、すでに現時点で生まれたときから子ども一人当たり670万円弱の国の借金を抱えた状態である。(現在の60歳以上の世帯…4800万円以上の受益超)

保育園をむやみに増やしても保育の「質」を下げてはならない。保育の「質」は保育園に通う子どもの健康や発育状況と強く関連していることが明らかになっている。保育の「質」は、子どもの長期的な教育成果に影響しているとも言われている。待機児童問題が深刻な地域で、無償化を視野に保育園が急速に増加した場合、保育の「質」が低下するという懸念がある。これは、長期的にはマイナスである。

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