2020年代の移動通信の展望 5Gをめぐって 清陵勉強会

今回の勉強会は、3年後輩のKDDI代表取締役副会長 両角寛文氏の講演だった。とても興味のある講演だったので、その内容を何項目かに分けてまとめてみたい。

Ⅰ 日本における携帯電話の進化

1 1G時代(音声のみ、アナログ)

 1979年:日本電信電話公社、世界初の自動車電話サービス開始(7kg)TZ-810 以後、NTTショルダーホーン(3kg)、ハンディータイプ(750g)、DDIセルラー(303g)、IDOハンディホーン(298g)と軽量化が図られた。

2 2G時代(SMS、eメール、web、静止画)

1993年ドコモMOVA P発売~着メロ開始、写メール開始、2000年には3社合併でKDDI設立、携帯ブランドauへ

3 3G時代(音楽、ゲーム、テレビ電話、動画)

2001年ドコモ、世界初の3Gサービスを開始(FOMA)、au動画対応の3Gサービス開始、パケット定額制の導入、2006年にはソフトバンクがvodafoneを買収し、携帯電話に参入、2008年ソフトバンク、iphone3Gを独占販売

4 4G時代(高精細動画)

2010年ドコモ、3.9GLTEサービス開始、2013年iphone5s,c発売と同時に3社取り扱いとなる。ドコモ音声定額サービス「カケホーダイ」開始、2017年楽天、自前の通信網にて携帯電話事業への参入表明

携帯電話の進化は、大きく10年ごとに行われ、2020年3月からは日本でも5Gサービスが開始される。最大通信速度は、30年間で約10万倍となった。また、携帯電話・スマートフォンが取り込んできた「機能・サービス」は以下のとおりである。

電話帳、時計、電卓、カレンダー、SMS、eメール、web、ニュース、天気、株価、カメラ、アルバム、ビデオ、動画P、音楽P、ボイスR、書籍、ゲーム、テレビ、FMラジオ、地図、ナビ、SNS、銀行、財布、家計簿、EC、オークション、予約、健康

スマホが1台あれば、なんでもできる世の中になった。

Ⅱ 5Gについて

1 2020年代の市場環境

 ①5G、IoT、Big Data、AI…急速な進展により、変革期になる。

 ②世界のスマホ出荷台数の伸び率は鈍化し、成熟市場にになる。

 ③月間モバイルデーター利用量は2022年には775億GBになる。2017年の7倍。世界のIoTデバイス数は、2022年に146億台へ。2017年の2.4倍。

 2 5Gの特徴

 ①高速大容量 5G:20Gbps 4Gの20倍、フルハイビジョン2時間の映画のダウンロード時間…4Gは60秒→5Gは3秒

 ②多接続 4G:10万/1k㎡→5G:100万/1k㎡ 人混みでも繋がりやすくなる。

 ③低遅延 4G:10ms→5G:1ms 自動運転の実用化につながる。

 3 実証実験とサービスイメージ

①クラウドゲーム ②建設現場での遠隔操作、車両管理 ③無人工場 ④遠隔医療 ⑤無人店舗 ⑥農業・漁業の遠隔管理 ⑦セキュリティーにおけるドローン監視 ⑧自動運転 ⑨遠隔地から建設機械を操縦する(すでに成功している)⑩タッチレス搭乗ゲート

※自動運転のサービスレベル

レベル1…運転支援(自動ブレーキ、車線維持、クルーズコントロール)

レベル2…特定条件下で自動運転機能(追走、追い越し)

レベル3…条件付き自動運転(システムがすべての運転操作を行うが、システムの介入要求等に対してドライバーが適切に対応する)←来年から登場

              ↓

自動運転車の公道走行を可能にする改正道路交通法が5月28日の衆議院本会議で可決、成立。緊急時にドライバーが手動で運転できることを前提に、自動運転車の運転中にスマートフォンや携帯電話を手にもって操作することが可能。←政府は2020年を目途にレベル3に対応する技術の実用化を目指している。ながら運転は認めるが「安全運転義務」が課されることは変わりない。飲酒も引き続き禁止。

レベル4…特定条件下における完全自動運転

レベル5…完全自動運転

※ゲーム市場…5Gの商用化に伴うクラウドゲームの伸張により2021年の市場規模は20兆円に拡大する。ゲーム配信でIT巨人が激突する。 MS vs Google、ネットフリックスもゲームに参戦する。

※地方創生への取り組み…NHK、JR、トヨタ、警備、建設・工場、教育、自治体 例)伊那市ドローン物流プロジェクト、白馬村除雪車支援実証実験

3 日本における整備計画と周波数割り当て

4月10日総務省から次世代の通信規格5Gに必要な電波の割り当てを受けた。ドコモ、KDDIは2枠、SBと楽天は1枠。機器間通信などに向く残りの4枠は、4社に1枠ずつ割り当てた。

KDDI…サービス開始時期2020年3月、メッシュカバー率93.2%、設備投資4667億円、基地局数42863

ドコモ…サービス開始時期2020年春、メッシュカバー率97%、設備投資7950億円、基地局数13002

SB…サービス開始時期2020年3月頃、メッシュカバー率64%、設備投資2061億円、基地局数11210

楽天…サービス開始時期2020年6月頃、メッシュカバー率56.1%、設備投資1961億円、基地局数23735

4 諸外国におけるサービスの状況

米国、韓国…2019年4月3日より5Gスマートフォン提供開始

中国…2020年正式商用化

欧州…2020年商用化

5 トランプ大統領によるファーウエイ排除問題

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